神崎ミリアムの掃き溜め

二ノ国の二次創作メインです。たまにモンスト等も。

【二ノ国バイオハザード】死者

皆さん、おはこんばんちは!神崎ミリアムです、はい。
最近投稿出来ず、申し訳ありません。
なのでpixivから、バイオハザードとのダブルパロ小説を載せます!!今回も相変わらずグロいです。気を付けて下さいね!!
それでは、どうぞ!




ババナシア王国にて
side.マル

オリバーがレイナスを正気に戻してから、世界は平和になった。
灰に侵されて被害の大きかった故郷、ババナシア王国も徐々に活気を取り戻して、今ではまた商人の元気な売り声や音楽が聞こえてくるまでになっている。そんな故郷に戻った私は、店先でハープをいじっていた。
爪弾くごとに甦るのは、オリバーたちと旅をした記憶ばかり。
ロン、ロンとかきならすと、やはりこの美しい音をまた皆に聞かせたいと思う。私は顔をほころばせて、旅の思い出に浸る。
すると、視界の端に何か赤いものが映る。
気のせいだろうか。そう思い、家の中に戻ろうとすると、急に周りが薄暗くなった。
見上げると、空は灰が降ったあの時のように曇っていた。
赤いものは灰だった。
赤い灰が降ったその時、突然周りの人達が1人、また1人と倒れ始めた。
倒れなかった人も居たが、彼らもまた異変を感じ取っていたらしい。倒れた人を介抱しようとしていた。
以前灰が降ったときは全員異形の魔物に変化したが、今回はどうなのだろう…そう思い暫く周りを見渡していると、悲鳴が上がった。
悲鳴の主の元まで行ってみるとそこには、


人が、人を噛み殺していた。

辺りには、おびただしい量の血液が撒き散らされていた。
私は、あまりの光景に吐気を覚える。
それでももはや動くことのない悲鳴の主を見ると、何故かあちこちが噛みちぎられている。首は特に酷く、骨が見える程だった。
すると、低い呻き声が聞こえた。それも至る所からだ。
私は、ハープを握りしめ、家に逃げ込もうと走り始めた。


家まであと少しという所で、大量の人に囲まれてしまった。口元が血で汚されており、身体の至る所が腐り落ちている辺りを見ると、灰によって倒れてしまった人達の末路なのだろう。
恐怖のあまり、指が動かない。
ああ、私はここで死ぬのかな…
せめて、オリバーたちに会いたかったな。
私は、死を覚悟して、目を閉じた。

「諦めないで!」
突然そう言われたかと思えば、まばゆい光が差し込んできた。誰かの光魔法だろうか、光が収まった頃に目を開けると、そこには緑の長い髪に白い長マント。
レイナスがそこに居たのだった。








ババナシア王国、マルの家にて
side、ジャイロ

「…という訳なの」
一通り俺達が来るまでの話を聞いた時、俺はある考えが浮かび始めていた。
もしかしたら、ゴロネール王国も灰に侵されているかもしれない。
何しろ、以前灰が降ったときも、ゴロネール、ババナシア、ボーグの三国に降っていたからだ。
すると、レイナスが懐から手帳を取り出した。
「そう言えば私、道中でこんなものを拾ったんです。この中には、あの赤い灰の事について書かれていました。何か分かればいいのですが…」
その黒い手帳は、砂ぼこりで汚れてはいたが、とてもしっかりとした素材で出来ていた。砂ぼこりを払って読んでみると、几帳面な字で書かれた日記であった。


『○月○日
たまたま行った異世界で、驚くべき物を見つけた。
それは活性死者、いわゆるゾンビである。このゾンビはT-ウイルスというものに感染した人間の成れの果てで、特徴は以下の通り。
その1、身体が傷つきにくくなる
その2、その副作用で知性、理性などが無くなる
その3、同じく副作用で、大量の食料が必要になる(なお、この時の食料は人肉も含まれる)
破壊するには、頭、脳のある所を撃ち抜いたり、切断するなど、とにかく生命活動を停止させること。これを、古の禁呪「聖灰」に組み込めば、世界を滅ぼすことも夢ではない』
一ページ読んだだけで、吐き気がしそうだった。異世界にはこんな胸糞悪いものがある、そんな事実が憎たらしかった。
更にページをめくると、今度は怒りしか湧かなくなった。
『これは、復讐に使える。僕の母を、父を殺した奴らをゴミに出来る。』
持ち主はどうやら復讐をしたいらしく、あとは彼らに対する恨みつらみばかりであった。
「…これは、止めなければならないでしょうね。」
ラースがぽつりと呟いた。
するとそれに加勢するように、
「そうなると、オリバーを呼ばなきゃ、だよね。」
とマルが言った。だが、問題は誰がゲートのルーンを描くかだった。
レイナスとラースは描けるが、発動させたことは無い。ある意味賭けに近いものだ。
「ルーンを描きましょう、話はそれからです。」
俺が考えているとき、決意した顔でレイナスが言った。
全く、どうにでもなれ。
そう投げやりな気持ちになった時、ゲートが開き、俺達は一ノ国へと走り出した。


続く



ごめんなさい、レイナスが男らしい。