神崎ミリアムの掃き溜め

二ノ国の二次創作メインです。たまにモンスト等も。

【二ノ国二次創作】二ノ国+バイオハザード

おはこんばんちわ、神崎ミリアムです。

今回はpixiv に載っけている小説シリーズの1話をのせます。

そして、グロテスクな描写があるのでご注意下さい。

それでは、どうぞ。

注意:この小説はバイオハザードシリーズの設定を入れながら作られたダブルパロディ作品です。
作者の調査不足&キャラの都合上登場するクリーチャーは基本ゾンビのみです。
描写不足により、ここわからんというところがおそらく有ります。そしたらコメントにてお知らせくださいませ。

それでは、どうぞ。

 

[あらすじ]

灰の女王を倒し、平和になった二ノ国。人々は平和な生活を楽しんでいた。
マルは父・ソロンの店を手伝い、ラースは皇帝として国の再建を進めた。ジャイロはラースの使いとして人々に物資を分け与えたり、他の国や町とのパイプ役となり国の再建を手伝っている。シズクはニコとプッチとともに後進の育成にあたっていた。
だが、その平和も長くは続かなかった。

二ノ国の多くの国、町に赤い灰が降り注いだのだ。

すると住人は瞬く間に生きる死者と化した。彼らは生き残った人々を噛み砕き、恐るべきスピードで増えていった。
そんな二ノ国を救うために、そして生き延びる為に、オリバーたちの闘いが今、始まる___!

 

 

side .ラース、ボーグ宮殿の自室にて

「ラースっ!」
そう言って乱暴に扉を開ける男は一人しかいない。ジャイロ__私の兄で、今は部下でもある。
ジャイロもとい兄さんは扉を閉め、息を切らしながら愛銃・リアルフェイクを構えていた。
「ラース…一旦テレポートでマルのとこ行くぞ」
何があったのだろう。銃を握り、そう告げる彼の手は激しく震えていた。兄さんの様子を見る限りこれは一刻の猶予も許さない状況なのだろう。最近は公務以外では外出しない私は街の様子が気がかりだった。
「お前、剣術か槍術習ってたよな?」
「…剣術なら」
兄さんは私の答えを聞くと、腰に下げていた双振りの剣のうち片方を鞘ごと私に投げた。何故か剣には血が付いているが、気にすることはできなかった。
確かに習ってはいるが、敵を倒すためというよりは王族のたしなみのような感じで習っていたため、あまり上手ではない。…魔法が効かないのだろうか。
そう思案していると、兄さんは私にテレポートを発動させるよう合図してきた。
テレポートを発動させる簡易的な詠唱を最後に、私たちはボーグ宮殿を後にした。

 

side .ジャイロ、ババナシア王国にて


俺たちがテレポートした先は、仲間の一人、マルの故郷であるババナシア王国だった。
砂漠地帯のオアシスで、いつもならば商人や人々の声や音楽で賑わうこの街も、既に赤い灰の餌食となっていた。…手遅れだったか。
さすがのラースも言葉を失う。自分の知らない間に街が得体の知れぬ何かに侵されていたのだから無理もない。
俺は銃を改めて握り直して、マルの家へと向かった。
街の中を歩いて見る限り、生き残った人は見つからない。建物の中にこもっているのだろうか、街はとても静かだった。
聞こえてくるのはあの生きる死者どもの低いうめき声位で、何も聞こえて来ない。不自然な位に、だ。
そして、多くの人が被害に遭ったのか、建物の外壁にはおびただしい量の血が付いていた。どうやら被害は想像以上に大きいらしい。
うめき声は聞こえてくるが、彼らは現れない。現れないに越したことはないが、それが一層不自然だった。
すると、ラースの背後に迫る死者の姿が見えた。ラース自身は気付いていない。人を撃ちたくはないが、仕方ない。俺は銃口を死者の頭に向け、照準がぶれないうちに引き金を引いた。
その後、ラースの手をとりマルの家へと急いだ。今はマルの家に着けばそれでいいのだから。最早頭は考えることをやめ、マルの家に一刻でも早くつくようにと足を速めていた。
無事でいてくれ、頼む。お願いだから、喰われないでいてくれ。祈る気持ちで着いたとき、マルは店先で手を振っていた。彼女は何時もの美しい花飾りのついたハープを抱え、息を切らしていた。
その隣には、白いマントに白銀の冠、緑の長い髪をまとめた碧眼の女性がいた。
レイナス、古代の王国の女王であり、強大な力を持つ魔法使いでもある。彼女が動くと言うことは、もしかして二ノ国は…。
俺はそこで再び考えることをやめた。俺たちはマルの家の中に入った。

(続く)